FMあすちゅ~と 16年仕様(Ver.1.2) の雑な解説


 これからFM使いになろうという方には「何から始めれば良いんだろう?」的な悩み、迷いがあるかもしれません。私はそうでした。そこで、今回は「加工が苦手でも大丈夫、これで貴方もFM使い」的なマシンである『FMあすちゅ~と 16年仕様(Ver.1.2)』を教材として、な解説を行いたいと思います。

「大丈夫、皆やってるって! 簡単だから!」(怪しい笑顔)




☆シャーシ

 今回のシャーシは、GUPのカーボンSFMです。カーボンという響きが決め手であっただけで、通常品のSFM(ブロッケンGやガンブラスター)でも良いんじゃないかと思います。速さや強度という点を追求していけば、そりゃどれかが一番! みたいな話になるかと思いますが、これから始めようという段階であれば細かいことは気にしなくても良いんじゃないかな~、というのが私の見解です。というか、自分にはまだ違いは分かりません!(おい)

 シャーシに対して行った加工としては、フロントステーのネジ穴の出っ張った部分のカット、サイドステーのカット、プロペラシャフトの受け部分以外の接触or接触しそうな部分のカット。あと、リアステーの固定のために、ボディキャッチの側にネジ穴を2mmで穴あけしています。

 リアステーはそのままだと1点固定ですが、ボディキャッチのところで共締めしてあげると少々、強度を上げられます。SFMで画像検索かけるとリア側AパーツにFRPを延長させて固定する手法がメインであることがよくわかりますが、それなりの苦労をするので私は1.5点固定とでも言えば良いのでしょうか、底面側のネジと、ボディキャッチ側に開けたネジ穴で共締めして強化ステーの根本だけ装着しています。


☆フロント


 フロントはARリア二枚重ねのアンダーガード、シャーシ、ARリア(スラスト保持強化用)、3mmカーボンフロントという構成です。想像以上にフロントのスラスト保持力無かったので、今後は必ずリアステーを加工したプレートでスラスト保持強化を行うつもりです。
 アンダーガードは瞬間接着剤で接着したARリアを適当に好みの形状に加工すれば良いと思います。今回のあすちゅ~とでは、上段はそのまま、下段は左右にカットしたものを接着して前方から見てセンター部分にブレーキを貼れるようにしてあります。ステーの根本(本来であればシャーシに装着するネジ穴のところ)は適当にカットしてあります。

 画像では分かり難いですが、カウンター側に伸びているスラスト保持強化用のリアステーの根本は、ギアカバーギリギリのところでカットしてあります。反対側はそのままですね。これはSFM使いの方がよく採用されている手法なので、解説しているブログとかには必ず出てくるのではないかと。自分はたまたまARリアを使いましたが、リアステーならアルミやジュラルミン以外なら何でも良さそうですね。

 ローラーは無難に13mmのWA。スタビにはカーボンクラウンギヤの歯を落としたものを採用しています。これもわりと定番? 19mmも考えましたが、バンパーを残した状態では難しいので、やりやすい13mmWAにしました。安心安定のローラーですね。
 ローラー軸はキャップスクリューの25mm。


☆リア


 分かり難いかもしれませんが、ボディキャッチの突起の左側に見える銀色がロックナットで、シャーシ側からネジを出して共締めしています。3点固定に比べたら弱いですが、1点固定よりは強度が出ます。加工が難しくないので、初心者には向いている加工だと思います。
 強化ステーは根本だけで、プレート装着側をバッサリカットして、縦のネジ穴部分だけ残した状態ですね。これにリアマルチワイドステーを装着することで、リアローラーを装着している訳ですね。

 プレートの構成は、リアマルチワイドステー(カーボン)に直カーボン。リアマルチから提灯を伸ばしています。リアのマスダンパーは(スイングタイプでなければ)直カーボン上かリアマルチの後端左右振り分けとかがメジャーな気がしますが、ビスの使い方を考えた結果、リアマルチのセンター部分に一本出しとなりました。左右バランスは難しいですが、着地時の制振性はこれでも問題ありません。マスダンパーはARサイドマスダンパーに同梱されている半球状のものを2個使用しています。

 ローラーは見た目と食いつきとかを考えた結果、軽量19mmAAに。下から生やすやり方の場合、上段ローラーのブレとかが問題になりますが、キャップスクリューの30mmでそこそこ強度もあるので、今のところ対策はしていません。やるとしたら、上段側に直カーボンか直FRPで橋渡しですかね。


☆タイヤ&ホイール

 タイヤは走行慣らしをした程度の赤ローハイトタイヤ(26mm)です。このタイヤ選択は完全に受け売り&妥協なので、細かいところは割愛します。前後ハード系なら何でも良いのかな?? とりあえず、リアグリップのみを落とす手法は完全に考えていません。

 ホイールはカーボンローハイトを採用しました。ホイールは貫通させて、72mmのブラック強化シャフトを使っています。リア側はそのままだと提灯と干渉してしまうので、アルミスペーサーを入れて幅出しをしています。


☆ボディ提灯



 ボディは何でも良いと思いますが、自分は加工のしやすさ、形状の好みでポリカーボネイトのアスチュートを採用しました。ただ、このボディはFM向きではないですね……センスある人がしっかり加工すればカッコイイのですが、そのまま載せようとすると違和感ありますね(苦笑)。
 ボディはキャノピーが前方向にあって、わりと大きめなサンダーショット系等が似合いますね。個人的にはMk.2が好きですが、今度出るJr.のボディでもしっかりやってやれば良い感じになりそうです。

 肝心の提灯ですが、リアから生やしたステーは最小限の加工のみです。リアのAパーツに干渉する部分をギリギリ削っただけです(それでも画像の状態だと、僅かに干渉することがあるようです)。提灯の前方はX用リアステーの両サイドをカットしたもので電池叩き部分を作り、前から二番目の穴から伸ばしたビスでARサイドマスダンパー用FRPの後ろ側をカットしたステーを装着。そこからマスダンパーのビスを生やしています。
 マスダンパーはARサイドマスダンパーの円柱状の物を使用していますが、現在はそれに加えてアジャスト用の薄いマスダンパー(今だとMAファーストトライセットとかに入っているやつですね)を一枚ずつ追加しています。
 軽い装備ではありませんが、制振性は特に問題なく、しっかり機能してくれています。

 提灯の根本はOリングやバネ等、色々な手法があると思いますが、このマシンではハードタイプのバネ(スライドダンパーの銀色の方のバネ)を使用しています。もう少し硬くても良さそうですが……。


☆駆動系

 見た目通り、ギアは軽量超速ギヤを採用しています。また、プロペラシャフトは2mm中空を採用し、パーツ的には頑張っている状態ですね。
 SFMは駆動に難あり、ということで『抵抗抜き』に挑戦されているレーサーの方が少なくないようですが、私のマシンではプロペラシャフト周辺を加工した以外では大仰なことはやっていません。キッチリ精度を出せないとロスになりかねない加工ですからね、それ以外を頑張ろうという訳です。
 シャーシの当たり外れは大小それなりにあるとは思いますが、とりあえず丁寧に組んで、グリスをしっかり塗ってあげればそれなりに回ってくれると思います。なので、切羽詰まるような状況にならないかぎりは、今後も抵抗抜きはしないつもりです。

 車軸受けは、とりあえず620ボールベアリングを使いました。……が、しっかりメンテナンスして性能を引き出せないのであれば、丸穴とかでも良い気がします。自分は丸穴の方が良さそうですが……色々考えた結果、620にしてます。これは予算とメンテナンスの妥協点なので、「どうしても速くしたい」というのであれば、メンテナンスを頑張って620の性能を引き出せば良いのかもしれませんね。


====================

 とりあえず、こんなところでしょうか?
 今回のマシンではカーボンパーツを結構使っていますが、これはFRPでも問題ないと思います。軽いし強度がある、というのでカーボンプレートは人気ですが、自分は無ければFRPでも問題ないかな、と。特に、このマシンで採用しているパーツの中でフロントステーとリアステーは限定品ですし、再販のタイミングに上手く合わないと手に入れ難いですからね。私も次に組むとしたら通常品で組めるようにするつもりです。駆動系のパーツ以外はFRPで代用可能ですからね(ローラーも軽量じゃなくても最悪、構いませんし)。

 難しいことはやっていないし、驚くほど速いマシンでもありません。誰にだって組めるマシンだと思います。なので、「そういうやり方もあるのか」と、SFMにこれから手を出そうという人が前向きになってくれたら嬉しいなと、私は思います。自己満足ですが。

 私も周囲のSFM使いの方々が楽しそうで、ようやく手を出すことが出来ました。もちろん、楽しいだけじゃない部分はあります。ただ、難しいことをしなくてもレースに出られる程度のマシンは組める訳で、私みたいに「SFMは面倒くさそうだしな……」と手を出さないで時間が経ってしまう人が出ないで欲しいな、と。今、私は手を出さずに過ごした期間を少し後悔しているんです。もっと早くに手を出して、もっと早く悩んでいたら……なんて。
 最新シャーシではないし、それなりの苦労があるシャーシではあります。ただ、SFMにはSFMの良さがあって、それに惹かれているのであれば、悩むよりも一度手を出してもらいたいなと、初心者SFM使いとしては思う訳です。さあ、一緒にこの温かい沼にハマりましょうよ!!(笑)

コメント

このブログの人気の投稿

シンプルなVSサイドマスダン車

結果を残したマシンを振り返ろう~2017~